サクッと行ける海外旅行についてつらつらと書いていきます

タイトルまんま。誰でも旅行に行けるんです、ということをちょっとだけ発信していきたいわけです。たまにテレビのことなど、非旅行のことも。

中国(重慶)で噂の高速鉄道に乗ってみた

 出発時刻の14時に余裕を持って到着するために、重慶北駅へは13時少し前に向かった。宿のオーナーには、成都から戻って来た際に「再びお世話になります」と伝え、気持ちよくサヨナラ。懇切丁寧で人柄も良く、英語が堪能なので本当にありがたい存在だった。重慶ニューロマンサーな夜を体験する際は、ぜひvol2で紹介したこちらの宿をチェックしてみてほしい。

 別れ際、「高速鉄道へのアクセスなら重慶北駅の次の龙头寺駅がいいよ」とアドバイスを受けるも、意味が分からず受け流す。だって、昨日チケットを買って入場ゲートも確認しているんすよ? なんでわざわざ隣駅から行く必要があるんだろう……と、少し気になるもレッツゴー。サクサクと重慶北駅に到着し、ゲートでチケットを見せると、「ここじゃない」的な雰囲気とリアクションを受ける。ネット環境下ではなかったため言葉が分からないので、少し食い下がるとチケットの右上を指される。

「北広場……?」(というか、この北広場って成都東に冠している言葉じゃないのかよ)。

 上写真の右部分にうっすらと見えると思うんだけど、「ここは南広場」である、と。何となく事態を把握したオレは、その北広場とやらに行かなくてはいけないらしいわけだが、どう行きゃいいのかサッパリで。とりあえず、広場にいる英語が分かりそうな若い人に片っ端から声をかけるも、ホント通じない。まったく通じていない。『イッテQ』の出川さんの“はじめてのおつかい”のようないびつな存在と化している。正直、これには焦った。北広場に行けばいいのは分かったけど、どれくらい距離があるか分からないし、そもそも歩いて行けるのか……そんなときに思い出したのが、冒頭の「高速鉄道へのアクセスなら重慶北駅の次の龙头寺駅がいいよ」という助言。そういうことね!

 急いでメトロに乗り込み、龙头寺駅を目指す。下車すると、出口前の広場には「北広場」という看板を持って営業をしているバイクタクシーの面々。ホッと一息。距離が分からないので、10元(約170円)を支払い、颯爽とノーヘルで駆け抜ける。この旅、初にして最後のノーヘル体験だったが、海外で体感するノーヘルバイクの心地よさはいつだって最高。出発の間際、ちらっと「南広場3km」という看板が見えて、馬鹿デカいにもほどがあるとゾッとする。探す&歩いていたら間に合ってなかったよ! 

 というわけで、こちらが北広場。龙头寺駅からはバイクで12分(10元は高い)。歩いて10分ほどなので、バイクに乗らなくても行けるはず。

 重慶のターミナルを利用する旅行者は、重慶は“西口に東武百貨店があって、東口西武百貨店がある池袋のようなややこしさがある”ということを肝に銘じておいた方がいい。先述したように、重慶駅と重慶北駅があり、重慶北駅には南広場と北広場がある。発着する高速鉄道によって(主に行先の方面によって)、南と北で区別されるため、必ず重慶から高速鉄道を利用する場合は南広場か北広場かを確認しておこうな! 危うくオレみたいに生きた屍になるぞ!

 ターミナルの中はまるで空港だ。乗車する鉄道のゲートが電光掲示板に明記されているためそのゲートに向かい、車両によって(例えば18号車は10B11Bゲート/916号車は10A11Aゲートというように)さらにゲートが細分化されている。

 発券されたチケットは先に紹介したオレのチケットのように「紅券」と呼ばれるものと、青いチケットがあるが、「大して差はない」らしい。「こいつはちょっと共産色が強いかな!? だから、アナタは赤券ね!」くらいの差だと思って、笑って突っ込んでいくように(その方が楽しい)。

 内観は完全に新幹線と遜色なし。座席にはコンセント差し込み口もある。揺れなんかまったく気にならないほど乗り心地も快適。車内販売の女性に全くやる気がないことを除けば、日本にいるかのよう。やる気がないこともスゴいんだが、人の声が届くよりも先に、車両を駆け抜ける売り子の颯爽感たるや。「競歩か何かの強化選手なのかな?」と思ってしまうほど速い。

 売り子がいなくなってしまうスピードも速いが、高速鉄道の速度も速い。平地では300キロ近く速度が上がるため、バスで45時間かかる重慶成都間を、約1時間40分ほどで到着してしまう。圧倒的にバスよりも高速鉄道の方が◎。値段の安さは前述した通り。これは楽チンだ!

 というわけで16時前には成都東駅に到着。春秋航空は、かつては成都便が離発着していたのだが、現在は就航していない。四川への玄関口は重慶になってしまうが、噂の高速鉄道に乗って成都を訪ねるというのも面白い、と十分に感じた。快適で早く、そして安い。重慶の大都会は、vol3よろしく見ておいて損のない世界が広がっている。重慶成都。これは思いのほか“アリ”です。