サクッと行ける海外旅行についてつらつらと書いていきます

タイトルまんま。誰でも旅行に行けるんです、ということをちょっとだけ発信していきたいわけです。たまにテレビのことなど、非旅行のことも。

中国旅行で快適にスイスイ進むちょっとしたコツ

成都東駅から事前に宿泊した宿の近くまではメトロが走っている。中国では、北京・香港・天津・上海・広州・武漢・深圳・重慶・南京・成都西安など多くの都市で地下鉄や都市鉄道(モノレール)が整備されている。

 改札を出ると、高速鉄道を降車したばかりの多くの利用者が、限られた台数の地下鉄自動販売機の前に長蛇の列を成していた。だけどね、重慶の街を散策していたときから気になっていたことがあるんですよ。地下鉄の乗り口でも有人窓口でも、中国人は同じ流れに汲み入る傾向があるのでは? ということ。例えば、一番並んでいる有人窓口に並ぶ傾向がある、とか、エスカレーターがある階段とない階段だったら、9割の人がある方の階段を利用する。結果、その付近の乗車口は混む、とか……そんなようなイメージがすでにあったのだ。

 チケット販売機の長蛇の列の後は、荷物検査に鬼のような列が出来上がってしまっている。こんなに立派なターミナルなのに、地下鉄の販売機が1エリアにしかないなんてありえない。検査をする改札口だって、反対側にあってもよかろうに。そんなわけで1分ほど歩いて反対サイドに回ってみると。

 このザマである。お分かりいただけただろうか? 待ち時間ゼロである。これはね、一つの中国人の特徴だと思う。良く言えば素直。悪く言えば、右に倣え(物分かりが悪い)。こういう国民性だと分かると、なんだか視界が拓けてくるというか。中国人の特徴(と言っても、重慶成都方面だけかもしれないけど)は折を見て、ちょいちょい感じたことを綴っていきたい。ついでに、マナーというか、日本で目にする中国人観光客の声のデカさに辟易する人も多いと思うので、そのことにも触れておく。

 はっきり言って、本国における声のデカさは日本で耳にする比ではない。 電車走行時のガード下が90100デシベルと言われているが、地下鉄の車両内にて携帯電話で通話している40代以上のおっさんたちの声量も90くらいあるんじゃないかと思えるほどけたたましい。個人的には、ゴールデンハーベスト製作の映画のワンシーンを生で見ているような感じなのでポイントが高いんだが、結論だけ言ってしまえばやっぱり「うるさい」。圧倒的に「うるさい」。もちろんそれは中国人も分かっている。だからなのか、あちこちから聞こえてくる大声量に自身の会話が消されないように、イヤホンをしてスマホに話しかけている人も圧倒的に多い。共存の形がどこまでも個人主義的というのも中国特有かもしれない。気の遣い方が逆ベクトルに飛んでいってしまうあたりは、ホントに興味が尽きないわけで、オレは妙な親しみを感じた。合コンで女性陣を楽しませようと空回りしている奴を見るとほっとけなくなる感覚に近い。

 重慶同様に利用料金の安いメトロに乗って、本日の宿『チェンデュー ミセス パンダ ホステル』に到着。HPを見ても分かるように、英語はもちろん日本語を話すスタッフもいる。成都には、もう一つ(そちらの方がメジャーなんだけどね)日本語対応可能の宿があるが、オレは日本人が数多く集うような宿は苦手なのでそちらはスルーした。そんなに長くない旅程のなかで、できれば現地の人間と話をしたいこと、異なる文化を持つ外国人と接点を持ちたいこと(ミセスパンダは欧米人も多数来る)などなど。旅先では“可能な限り働きながら旅行をしている者として過ごしたい、考えたい”と思っている。世界一周系や長期旅行者は、貴重な情報を得るために日本人が集う場所で情報交換をするためにステイすることもあるだろうが、そうじゃない人たちもいるからね。

 『チェンデュー ミセス パンダ ホステル』をチョイスした判断は間違いなかった。最高に素晴らしい宿だった。おそらく来年もまた成都を訪問することになると思うが、もう一度ここに泊まります。ここで出会った人々も素晴らしかった(これについては後日登場します)。宿の設備などに関する詳細な感想などは、Booking.comなどの予約サイトのレビューを参照してほしい。行けばわかるさバカヤロー! である。シングルの部屋はないため、ダブル(トイレシャワー室内なし/冷房完備)1138元(約2300円 ※デポジット別途100元)の部屋に宿泊。ドミトリーは疲れが取れないので選択外。

 さてさてここ成都から次の目的地は、どうしたもんかなぁと悩んでいた。死ぬまでに見ておきたい系でもたびたび登場するラルンガルゴンパ(東チベット)に行くか、丹巴&四姑娘山に行くべきか、成都の現地人の意見を聞いてから行こうと決めていた。宿には、アニメ好きだという日本語が少し話せる20代前半と思わしき男性スタッフがいたので、とりあえず彼に相談したところ、「東チベットは現在、外国人立ち入り禁止状態」「四姑娘山は雨期のためバスが休業中」という絶望的なレスポンスをいただいてしまった。

 正直なところ、ラルンガルゴンパは有名になりすぎた結果、誰もが行くようになってしまったため、「ちょっとそういうのはなぁ」と天邪鬼に考えていたところもあり、気持ちとしては四姑娘山に傾いていた。ところが、そのバスすらも運行休止となると八方塞がり。「明日の朝にマネージャーが来ます。マネージャーならもっと確かな情報を知っているし、四川全体&周辺エリアに詳しいです」という彼の言葉に一縷の望みを託す他ない。「別プランも考えなきゃいけないな」などと思いながら、宿を後にして成都の街を彷徨うことにした。