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サクッと行ける海外旅行についてつらつらと書いていきます

タイトルまんま。誰でも旅行に行けるんです、ということをちょっとだけ発信していきたいわけです。たまにテレビのことなど、非旅行のことも。

四川料理はすべからず辛いのか? いや、そんなことはないだろう。

 四川省というと、麻婆豆腐を筆頭とした四川料理を思い浮かべる人も多いはず。そんなわけで今回は、俺が本場四川の地で食した四川料理についてつらづらと書いていこうと思います。


 そもそも四川料理は、現地・四川省では「四川料理」と銘打たれる他、「天府飯店」(天府が四川を意味する)、「川菜」と記述されることはあまり知られていない。四川省のみならず、「天府飯店」「川菜」と看板に掲げられているお店も四川料理を扱うお店になるわけです。四川滞在記を振り返るに、「四川料理」「天府飯店」と掲げているお店は辛い傾向が強ったような気がする。

 

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 これは天府とも川菜とも四川とも看板を掲げていないとある四川の定食屋で食った料理だ。右のご飯&豚肉炒めは15元(約250円)、左の白菜と肉(?)の辛し佃煮みたいな一品が12元(約200円)。勘の良い方はなんとなく分かると思いますが、先に紹介したようにどこかこの料理、東南アジア感があるんですよね。そもそも1プレートにご飯と菜食を一緒に盛ること自体、中華料理として違和感があるし。

 

 で、この東南アジアチックな定食、死ぬほど辛かった。最初の10口くらいまでは、「やべぇ! 大当たりだよ! すげぇうめぇ! うひょお~~オーマイ コ~ンブ!」みたいに天にも昇る心地だったんですが、中盤に差し掛かるあたりから、舌が痺れてきて何を食べているのか分からなってきました。その原因となっている犯人は、山椒(花椒)と唐辛子であることは間違いないわけで。とかく、四川の地では山椒(花椒)&唐辛子が肝なんですね。BOOWYでいうところの氷室、布袋であり、THE BLUE HEARTSでいうところの甲本、真島なんです。この容量用法を間違うとえらいことになるというか、別料理(別バンド)になってしまうわけです。それくらい山椒(花椒)&唐辛子は四川料理に欠かせない核なのね。


 しかも、辛さがタイ料理やカレーのようなスパイシーな喉を焦がすような辛さではなく“舌を痺れさせる系”。まったく辛さのベクトルが違うため、水を飲んでどうこうなる感じじゃないんです。ホイミじゃなくてキアリクを唱えてほしい感じになります。さし加減さえ間違えなければ最高の風味と辛味をもたらしてくれるわけですが、そのさじ加減が難しいわけで、絶妙な塩梅で絡めてくれる系統が、(あくまで個人的経験による観測だけど)「川菜」と掲げているお店なんです。ですから、「四川料理辛くて食えねぇ!」ととん挫した人は、「川菜」と掲げてある、大通りに面しているお店ではなくできれば裏路地にあるような店に行くと意外と辛くないお店に当たるような気がしています。(どの店に行こうが、中国語で「辛さを抑えてね!」と言えばいいだけなんだけどね) 

 

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 なぜ四川料理が意外と多様性があるかというと、先に記述したように成都そのものがダイバーであるということ。そして、中華料理の重要な一片を司る客家料理という存在がキーになっている。中国は北京料理広東料理上海料理四川料理というように四大料理と分類されがちだけど、厳密に言えば山東料理広東料理(広州料理と潮州料理に分かれるとも)、蘇州料理、四川料理の4エリア料理となる。そもそも北京、上海だけ都市名なのが変といえば変だわな。


 で、この4エリアにはそれぞれ特徴があって、順に麦作地帯、米や野菜をはじめ食材が豊富な地帯、魚食地帯、香辛料地帯とざっくりと分けられる。そりゃ食文化が違って当たり前なわけですよ。収穫できるものが違うんだから。
 かつてとある有名な中華料理屋を取材した際に、中国人の料理長から「上海料理は、う~ん蘇州料理なら分かるんだけど、上海料理なんて呼ぶのがおかしいんだよね。だって東京料理って呼ぶ? 上海は今じゃ東京のように何でも揃っているから“食の都”みたいに言われるけど、食文化的には別にピンとこないよね」と教えてくれた。

 

さんざんな言われようだな、上海料理

 

 またこんなことも。

広東料理は“食は広州にあり”と謳われるほど中国の核となっている料理。広州は四川省雲南省に近く、東南アジアの料理のルーツも広東料理なんですよ。ナンプラーなど味付けは東南アジア風味になっているけど、空芯菜炒めなんかが東南アジアにあるのは、まさしく広東料理のルーツを汲むから。広東や四川は非常に近しいところにあるし、蘇州も(長江以南である)江南エリアだから味付けなどがお互いに交じりあう傾向があるわけ。雲南省を越えて東南アジアに伝播するくらいだからね。小麦が収穫できる地域にある北京料理山東料理)は餃子や北京ダックを筆頭に皮(小麦粉)で包む独自の文化があるから、4エリアの中でもとりわけオリジナル感が強いよね」


 で、ここでこの中原から山東周辺一帯の流れを汲んでいる料理・山東料理が非常に中華料理では重要になってくるわけね。そのキーワードとなるのが客家(料理)という存在。「中華料理は上海料理を外して客家料理を4つ目に数えてもいい」という人もいるくらい客家の存在は大きいわけですが、その話は次回。思いっきり四川料理から話がズレていることは、誰よりも俺が理解している。

 

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